保育園の栄養士は「食」を通じて子どもの健やかな成長を支援する専門職です。献立作成だけでなく、アレルギー対応や食育活動、衛生管理、保護者支援まで多岐にわたる役割を担い、園運営の要となります。
仕事の特徴
1. 職種連携が必須
保育士・調理員・保護者と密に連携し、子どもの健康と園全体の運営を支えるハブ的存在です。
2. 子どもの成長段階を踏まえた専門性
咀嚼・味覚の発達や発育曲線を考慮した献立調整が、病院や高齢者施設とは異なるポイント。
3. 年間行事と業務サイクルの両立
行事食シーズン(運動会・クリスマスなど)はイレギュラー業務が重なるため、平時の業務効率化が鍵となります。
4. 衛生管理責任者としての役割
近年は小規模園でもHACCP対応が求められ、衛生マニュアル策定・スタッフへの指導が重要です。
献立作成・栄養管理
成長期の子ども向けに「おいしさ+食経験+栄養価」を両立させる設計力が鍵
- 年間・月間献立の設計
- 食事摂取基準(厚労省)・保育所給食指針への適合
- エネルギー・栄養素量計算とバランス調整
アレルギー対応
事故ゼロを目指すリスクマネジメントが最重要です。
- 個別除去・代替献立の作成
- 原材料表示や誤配膳防止チェック
- 保護者・担任・調理員との情報共有
調理・衛生管理
食中毒防止のため「調理工程の見える化」とスタッフ教育が不可欠
- 衛生基準(HACCP応用)に沿った調理工程の管理
- 検収・温度管理・記録類の整備
食育活動
子どもに“食べる楽しさ”を伝え、偏食改善にも寄与
- 食材の栽培体験・クッキング保育の企画
- 年齢別の食育教材作成・クラス訪問
保護者対応
家庭の食習慣と連携し、園と家庭の橋渡し役
- 食物アレルギーや偏食に関する相談対応
- 給食だより・レシピ配信など情報発信
行事食・特別メニュー
行事のねらいを料理で表現し、園生活を彩る
- 誕生日会・季節行事の特別メニュー立案
- 制作物(ランチョンマット、献立カードなど)作成
栄養・運営関連の書類作成
法令順守とコスト意識の両立が求められる
- 献立表・栄養価計算表・原価管理表
- 行政提出用報告書
保育園・管理栄養士の典型的な1日タイムスケジュール(例)
※園によっては規模・人員体制・延長保育の有無によって時間帯が異なります。
スケジュールのポイント
1.「仕込み→調理→配膳」のピークが午前中に集中
時間管理とチーム連携が重要。
2. 栄養管理と食育の両立
書類作成・栄養価計算を午後にまとめ、午前は現場対応に専念。
3. アレルギー・衛生は“常時”モニタリング
小規模園でも HACCP ベースの記録を必須化し、保育士ともリアルタイム共有。
4. DXで効率化 → 子どもと関わる時間を確保
発注・献立はクラウド共有し、浮いた時間をクラス訪問や保護者相談に充てるのが理想。
08:00 頃
出勤
・納品食材チェック
・仕込み開始
9:30 頃
職員と打ち合わせ・給食の準備
・離乳食・アレルギー対応の最終確認
・クラス巡回
11:00 – 12:30
給食仕上げ
・盛り付け
・配膳立ち会い
・食事観察
12:30 – 13:30
休憩
13:30 – 15:00
おやつ作り
・献立作成・栄養価計算
・食材発注
15:00 – 16:00
おやつ指示・配膳
16:00 – 17:00
清掃・衛生記録締め
・翌日の準備
17:00 – 17:30
退勤
保育園で働く管理栄養士のやりがい
保育園の管理栄養士は 「子どもたちの未来を“食”でサポートする立役者」。
日々の献立づくりや食育活動が、目の前の子ども・保護者・職員はもちろん、家庭や地域社会へと波及し、その成果が表情と言葉、そして数値で返ってくる非常にエモーショナルでクリエイティブな仕事です。 “食べる楽しさと健康”を届けるプロとして、挑戦と発見に満ちたやりがいを実感できます。

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