保育園は、
保護者が働いていたり、病気にかかっているなどの理由で、保護者に代わって保育することを目的とした施設です。
認定こども園は、
教育・保育を一体的に行う施設で、幼稚園と保育所の機能をあわせ持った施設です。
目的・役割の違い
保育園と認定こども園の目的や役割についてご紹介します。
保育園(保育所)
・目的
主に保護者の就労や病気などにより、家庭で十分に保育できない場合に代わって子どもを預かり、安全で健やかな成長をサポートすることが目的。
・所管省庁
厚生労働省が主管(地方自治体が実施主体)
・対象年齢
0歳(産休明け)~小学校就学前まで
・利用要件
保育を必要とする事由(就労、出産、介護、病気など)があることが基本要件
認定こども園
・目的
幼稚園・保育園の機能をあわせもち、「教育」と「保育」を一体的に提供する施設。地域の子育て支援機能も担う。
・所管省庁
文部科学省と厚生労働省が共同管轄(認可は都道府県、指定都市、中核市など)
・対象年齢
0歳(または満1歳)~小学校就学前まで
幼稚園的な機能を持つため満3歳からの受け入れが中心だが、0歳や1歳から受け入れる枠もある(施設形態により異なる)。
・利用要件
幼稚園的利用(教育認定)と保育園的利用(保育認定)に分かれる。
教育認定:3歳以上であれば特に保育を必要とする事由がなくても利用可能
保育認定:保護者の就労など保育を必要とする事由がある場合
運営形態・施設形態
保育園と認定こども園の運営形態・施設形態についてご紹介します。
保育園(保育所)
・大きく公立と私立に分かれる。
・公立は自治体が運営主体であり、私立は社会福祉法人やNPO法人、株式会社などが運営する。
・園庭や保育室、調理室などの設備基準を満たす必要があり、自治体の認可を受けている場合は「認可保育園」と呼ばれる。
認定こども園
以下の4つのタイプ(施設認定の枠組み上)があります。
1.幼保連携型認定こども園(幼稚園+保育所の機能を一体的に提供)
2.幼稚園型認定こども園(既存の幼稚園が保育の機能を拡充)
3.保育所型認定こども園(既存の保育所が教育の機能を拡充)
4.地方裁量型認定こども園(独自のしくみで幼児教育・保育を一体的に行う)
運営主体は公立の場合もあれば私立の場合もある。
保育・教育内容
保育園と認定こども園の保育・教育内容についてご紹介します。
保育園(保育所)
・子どもの生活面(食事・排泄・昼寝など)の世話や安全確保を中心に、健康・情緒・社会性の発達を促す保育が行われる。
・厚生労働省が定める「保育所保育指針」に基づいて保育計画を作成。
・0歳児~2歳児など低年齢児の受け入れが多いことから、年齢ごとにきめ細かい生活サポートをする体制が整っている。
認定こども園
・幼稚園的機能と保育園的機能をあわせ持つため、文部科学省の「幼稚園教育要領」と厚生労働省の「保育所保育指針」の両方を踏まえた保育・教育が行われる。
・3歳以上児の教育面にも力を入れつつ、長時間の保育も提供できる。
・地域の子育て支援として、未就園児向けの子育て相談や一時預かりなどを行う園も多い。
利用時間・料金
保育園と認定こども園の利用時間・料金についてご紹介します。
保育園(保育所)
・基本的に保護者が就労していることを前提とした長時間保育(8~11時間程度)が中心。延長保育も実施されている場合がある。
・保育料は保護者の所得や自治体の方針に基づき決定される(認可保育所の場合)。
認定こども園
・幼稚園のように教育時間帯(主に4時間程度)を利用する“教育認定”と、保育園のように長時間利用する“保育認定”で利用時間帯や料金が異なる。
・保護者の所得や自治体の制度によって決定されるが、同じ自治体内の保育所や幼稚園とほぼ同等か、それに準じた料金設定になる場合が多い。
選ぶポイント
1.保育時間の長さ・柔軟性
フルタイム就労や早朝に勤務がある場合は、長時間保育や延長保育に対応した保育園・認定こども園を選択しやすい。
保育の必要性が薄い(就労していない)場合は、こども園の“教育認定”枠も検討しやすい。
2.子どもの年齢と受入れ状況
0~2歳児を中心に預けたい場合、保育園のほうが受入枠が多い地域もある。
認定こども園の場合、施設形態によって乳児受け入れ枠が少ない園もある。
3.教育カリキュラムへの期待度
3歳以降の教育に重点を置きたい場合、認定こども園の方が幼児教育要素を取り入れたプログラムが充実している場合が多い。
保育園でも独自に教育プログラムを導入している園はあるため、見学や説明会で確認する。
4.利便性(場所・送迎時間など)
自宅や職場の近くにあるか、送迎しやすいか、といった立地条件は大きな要素。
一度入園すると毎日のことになるため、通いやすさも重要なメリットとなる。
まとめ
保育園は、
乳幼児保育や長時間保育に特化しており、特に0~2歳児のケア体制や延長保育の面でメリットが大きい。一方で、保育を必要とする保護者の就労(フルタイム・パートタイムなど)や病気、介護などの事情がないと利用できない。
認定こども園は、
幼稚園的機能と保育園的機能の両方をもつため、多様な家庭のニーズに応えられる柔軟さがある。ただし、認定区分や保育枠に関するシステムがやや複雑なうえ、地域や施設によって教育・保育の比重が異なるため、しっかり調べて選ぶ必要がある。
自治体や園によっては細かな運営方針や利用条件が異なる場合もあります。実際に利用を検討される際には、お住まいの自治体の保育課・子ども課などに問い合わせたり、見学や説明会に参加して具体的な情報を集めることが重要です。

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